適切な意思決定支援に関する指針
2025年06月01日
適切な意思決定支援に関する指針
1.基本方針
八代更生病院(以下、「当院」という。)は熊本県において精神科単科の病院として、地域の精神科医療を担う病院です。人生の最終段階を迎えた患者・家族等と医師をはじめとする医療従事者が、最善の医療・ケアを作り上げていくため、患者・家族等に対し適切な説明と話し合いを行い、患者本人の意思決定を基本とし、医療・ケアを提供することに努めます。
2.「人生の最終段階」の定義
(1)がんの末期のように、予後が予測出来る場合
(2)慢性疾患の急性増悪を繰り返し予後不良に陥る場合
(3)心身機能の高度障害(認知症や老衰など)で死を迎える場合
(4)誤嚥性肺炎を繰り返すなど、食事が食べられなくなった状態
なお、どのような状態が人生の最終段階かは、患者の状態を踏まえて、多専門職種で構成されるメンバーにて判断します。
3.人生の最終段階における医療・ケアの在り方
(1)医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療・ケアを受ける患者本人が当院の多専門職種で構成されるメンバーと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療・ケアを進めます。
(2)患者本人の意思は変化することを踏まえ、患者本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援を当院の多専門職種で構成されるメンバーにより行い、患者本人との話し合いを繰り返し行うものとします。
(3)患者本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等の信頼できる者も含めて、患者本人との話し合いを繰り返し行います。また、この話し合いに先立ち、患者本人は特定の家族等を自らの意思を推定する者として前もって定めておきます。
(4)人生の最終段階における医療・ケアについて、医療・ケア行為の開始・不開始、医療・ケア内容の変更、医療・ケア行為の中止等は、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断します。
(5)生命を短縮させる意図をもつ積極的安楽死は、本指針の対象とはしません。
4.人生の最終段階における医療・ケアの方針の決定手続
(1)患者本人の意思の確認ができる場合
①患者本人による意思を尊重します。
②方針の決定は、患者本人の状態に応じた専門的は医学的検討を経て、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明をおこないます。
その上で患者本人と当院の多専門職種で構成されるメンバーとの十分な話し合いを踏まえた患者本人による意思決定を基本とし、当院の多専門職種で構成されるメンバーとしての方針の決定をおこないます。
③時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、患者本人の意思は変化しうるものであることから、当院の多専門職種で構成されるメンバーによって、適切な情報の提供と説明がなされ、患者本人が自らの意思をその都度示し、伝えることができるような支援をおこないます。
また、このとき、患者本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等も含めて話し合いを繰り返し行うものとします。
④このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、診療録に記載します。
(2)認知症や精神疾患等で自ら意思決定することが困難又は意思の確認ができない場合
①家族等が患者本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、患者本人にとっての最善の方針をとります。
②家族等が患者本人の意思を推定できない場合には、患者本人にとって何が最善であるかについて、患者本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、患者本人にとっての最善の方針をとります。
③家族等がいない場合及び家族等が判断を当院の多専門職種で構成されるメンバーに委ねる場合には、患者本人にとっての最善の方針をとります。
④このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、診療録に記載します。
(3)意識障害や鎮静などで患者本人の意思が確認できない場合
①生命危機の状態での救急医療や、緊急に医療を要する場合は患者本人へのインフォームドコンセント(説明と同意)をおこなうことが困難なため、代理意思決定できる家族にインフォームドコンセントをおこないます。
②代理意思決定者が不在、連絡が取れないときは、関係支援者・当院の多専門職種 で構成されるメンバーで検討し、患者本人にとっての最善と考える医療提供方針を決定します。
③このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、診療録に記載します。
(4)身寄りがない患者の場合
①患者本人の意思決定能力の程度や代理意思決定者の存在の有無等により状況が異なる為、障害福祉サービスや行政の関わり等を利用して意思尊重します。
②「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定支援が困難な人への支援に関するガイドライン」を参考に支援します。
③成年後見人等の役割・関与は契約の締結や身上確保などで医療行為は含まれませんが意思決定支援のメンバーの一員として参加することはできます。
④このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、診療録に記載します。
5.複数の専門家からなる話し合いの場の設置
患者本人、家族など、多専門職で構成されるメンバーとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアについて内容の合意が得られない場合、当院の倫理委員会にて検討及び助言を行います。
附則
この指針は、令和7年4月1日から施行する。
改定日 令和7年6月1日
(改定理由:文書見直し)
医療法人 山田会
八代更生病院